経営者の悩み・トラブル110番No.73
=============================================================
退職予定者への有給休暇の付与は?
=============================================================

■質問内容

従業員が退職する年度において、年度当初に付与した有給日数を、
退職月に応じて按分することは可能でしょうか?
(採用年度における中途入社社員は、採用月に応じて按分しています。
同じ様に考えてよいのでしょうか?)

なお、就業規則には次のように記載しています。
「年度途中の退職の場合には、切替日(例えば4月1日)以降、退職日ま
での出勤日数按分で当年度の付与日数を計算する。」

■回答

労働基準法の解釈上、有給休暇は6ヶ月なり1年6ヶ月なりの間を、8割
以上出勤した労働者に一定の日数を付与するとなっていますので、そ
の休暇を行使する権利が発生するのは、その期間が経過した当日とい
うことです。

例えば、平成15年4月1日に就職した労働者は、同年10月1日の時点に
おいて、10日間の有給休暇を行使する権利を得ることとなり、その権
利が時効で消滅する平成17年10月1日までの間であれば、自由に消化
できることになります。

このように、有給休暇は過去の労働に対して生じてくる権利であるわ
けです。

先の例の労働者が、極端な話、平成15年10月中に1O日間の有給休暇を
消化して、すぐに退職したとしても問題はありません。

従って、採用の年度に按分するのとは違って、退職する従業員の持っ
ている有給休暇消化の権利を、退職の時期に応じて按分するような規
定を作ってはなりません。

なお、貴社のように、有給休暇の計算に際して「基準日」を設けてお
られる会社であれば、各個別の労働者の就職年月日を起点として厳密
に計算した付与日数より、必ず労働者側に有利になるような計算がさ
れている筈です。

その限度において日数を減らすことは、個々の労働者によってはでき
る場合もありますが、その場合であっても減らせる日数は1日が限度で
あり、ご質問にあるような条文で就業規則上に画一的に定めることは
無理であると言わざるを得ません。

また、労働者が、既に取得している有給休暇を消化する権利というも
のは雇用関係があることを前提としていますので、当然退職と同時に
その権利は消滅します。

つまり、労働者が有給休暇の権利が残っているのにあえて消化せずに
退職した場合には、会社はそれに対する補償の必要はないということ
です。

=============================================================
■編集後記

有名な「入谷の朝顔市」が今日から始まっている。
たまたま、私のお客様からこの入谷の朝顔の鉢植えをプレゼントで
頂戴した。
この数日、朝起きて咲いている花を見るのが楽しみです。

=============================================================
「経営者の悩み・トラブル110番」
発行責任者:(有)エンジョイワーク
http://www.enjoyworkjapan.com 
問合せ先: info@enjoyworkjapan.com
=============================================================
【メールマガジン配信中止手続き】
恐れ入りますが、上記の問合せ先に「メールマガジン配信中止」と
明記し電子メールください。
=============================================================