経営者の悩み・トラブル110番No.54
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手形の紛失について
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■質問内容

支払手形を相手先が紛失してしまい、8月5日の期日がきても落ちな
かった。
先方から念書を作成するので支払って欲しいと言われました。
何か問題はおきないでしょうか?

■回答

1.問題が起きるリスクがあります。

念書の提出のみで支払をするのは危険であり控えるベきです。
紛失手形が何らかの理由で流通した場合、紛失の事実を知らず(かつ
知らないことにつき重大な過失がなく)、この手形を取得した者があ
った場合、その取得者は善意の第三者として手形上の権利を取得し
ます(手形法16条2項)。

念書とは「支払を受けた後に該当手形上の権利を主張する第三者が
出現した場合、受取人(念書差出人)が責任をもって処理する」とい
うような内容のものと思われます。

このような念書と引き換えに受取人に支払いをした場合でも、善意
の第三者が出現した場合には振出人は受取人に支払をしなければな
らなくなり、二重払いとなる危険性がある訳です。

2.このようなりスクを避ける為に、紛失や盗難にかかる有価証券
(約束手形、為替手形、小切手など)については、証券取得者に対し
一定期間内に証券の取得を申し出るように催告し(公示催告といい、
裁判所の掲示板にその旨が掲示されます)、一定期間内に取得者が
出現しない場合、当該証券を無効とする判決(除権判決といいます)
を言い渡す制度が設けられています。

除権判決が為された後にあっては当該証券は無効とされます(単な
る紙切れとなる)ので、その証券についての善意取得は成立しない
ことになります。

他方、紛失者は当該手形上の権利についての正当な権利者と推定を
受けることになります。

この除権判決の後にあっては正当な権利者と推定を受ける紛失者に
支払をすれば仮にこの者が正当な権利者ではなかったとしても振出
人は免責を受けることができます。

以上の通り、相談者としては、受取人以外の第三者が手形上の権利
について善意取得する可能性がある間は支払をすべきではありませ
ん。

除権判決を受け、善意取得者出現の可能性が消滅した後に支払をす
べきでしょう。

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■編集後記

日増しに、春です。今日は、自宅から銀行まで1時間半も歩きました
が、しばらく歩くと汗ばみ、もうコートは邪魔です。

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「経営者の悩み・トラブル110番」
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