経営者の悩み・トラブル110番No.43
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住宅ローンの連帯保証人になって困っている
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■質問内容

当社の従業員が身内の住宅ローンの連帯保証人になっており、返済に
困っております。
1.従業員に支払う給与・退職金は差押えの対象になるのでしょうか。
  例えば、違う名目で支払えば差押えの対象にならないということは
  ありますか?
2.従業員に対して会社からお金を貸す場合の手続きは?
3.貸付金の返済について退職金と相殺することは法的に問題ありま
  すか?
4.従業員、会社ともに、どういった方法を取ればよいか?

■回答

1.結論から言いますと、給料・退職金は差押えの対象になります。
但し、給料(賞与を含む)・退職金については労働者の生活に必要な
一定部分は差押から除外されるので、給付額全額を差押えされること
はありません。

差押えられるのは、原則として給付額の4分の1です(民事執行法152条)。
違う名目で払えばどうかとのご質問ですが、実質が給料であれば、
結果は同じです。

逆に、名目を変えると(例えば外洋工賃など)、形式上は給料のように
4分の1という差押の範囲の制限がなくなり、かえって従業員に不都合
になる可能性もあります。

2.従業員に貸付を行う場合は当然、貸付金額、貸付日、返済日、返済
方法、利息の約定、利息の支払日、支払方法などを金銭消費貸借契約
証書あるいは借用証書などの書面に残すことが必要てす。

貸付金と退職金との相殺の問題については後述しますが、貸付金の返
済を月々の給料から天引きすることも原則としてできません。

3.貸付金と退職金との相殺について、退職時の退職金と相殺すること
もよく見られますが、トラブルが多いのも現実てす。

労働基準法で「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払われ
なければならない」(労基法24条、賃金全額払いの原則)とされ、使用
者は「前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相
殺してはならない」(同17条)とあります。

給料や退職金は、会社の従業員に対する損害賠償請求権や貸付金返還
請求権などの債権と相殺することが禁じられているのです。

従って、貸付時に労働者が納得して退職金と相殺してもよいと言って
いたとしても、いざ退職時になると労基法を盾に取って退職金全額を
支払って欲しいと要求する場合が多いのです。

判例上は、給料と貸付金等との相殺を例外的に認める場合もあります。

しかし、例外的に認められる場合というのは「相殺の同意が存在する
こと」、「相殺の同意が自由な意思に基づくものであること」、「相
殺の同意をすべき合理的理由が存在すること」、「相殺の合理的理由
に客観性があること」などの要件を全て備えている必要があります。

また、相殺の有効を主張する会社側が立証責任を負います。
貸付を行う場合、このようなりスクを念頭に置いて行う必要があります。

4.連帯保証した額と収入によっては、自己破産も考慮すべきてしょう。

本件の保証額は不明ですが、住宅ローンというからには、最低でも数
百万円、1OOO万円以上と思われます。
保証額が多額でも収入が多ければ支払不能とは言えない場合もありま
すが、1OOO万円以上の負債があれば破産宣告を受けられます。

他人の債務の連帯保証が破産原因ですから免責についても、問題ない
でしょう。
何とか支払っていける負債額であれば、弁護士に債権者と支払方法等
について示談交渉を委任することも考えられます。

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■編集後記

紀伊国屋ホールで養老孟司の講演を聞いた。
「バカの壁」は、200万部を突破し、今年最大のベストセラーという。
私も読んだが、中味を覚えていないくらいだから大したことはない。
むしろ、この人の趣味の昆虫のエッセイなどの方が面白い。

変わった人だが、話を聞いていると、こちらの方がが変わっているの
かな?と思ってしまう。本当に不思議な人だ。
要するに、この人の人生のテーマは、「変わらない価値を追求する」
ということらしい。
「話せばわかる」も「話してもわからない」もどちらもホントでどち
らも大ウソ。ホントは、いつもホントではない。ウソも同じだが、ウ
ソから出たマコト(ホント)があるのもホント(?)。
・・・というような話が展開される。

たまには、人文系の話も刺激があってイイ。

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「経営者の悩み・トラブル110番」
発行責任者:(有)エンジョイワーク
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問合せ先: info@enjoyworkjapan.com
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