経営者の悩み・トラブル110番No.10
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辞めた営業マンが顧客リストを持ち出して別会社を設立
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■質問内容

支店の営業マン(6人)が会社ヘの不満のため、一斉に辞表を出し会社に
来なくなった。
そして、ライバル会社の協力を得て新規に会社を設立した。
一方的に退職し、雇用関係も当社と終了していないのに、他社に協力し、
しかも顧客リストを持ち出している。
当社の就業規則ではいくつかの条文により禁止をしている内容にも当たる
ので、彼らにどのような対応がとれるのか?知りたい。
具体的な手続き等も教えて<ださい。

■回答

法律上、退職の意思表示は、月給制の場合、当月の前半に意思表示を
した場合に翌月以後に効力を生じます(民法627条2項)。

退職の効力が生じる日までは、就労の義務があり、就労しない場合には
欠勤となります。
本件の場合、会社の承諾無く、辞表提出後直ちIこ出勤しなくなったのです
から、無断欠勤ということになります。

御社の就業規則に、競業避止義務の規定があればこれも問題になります。

退職した従業員の競業行為は、職業選択の自由との関係で原則として
自由ですが、特約により一定限度で制限することが可能です。
特約があっても、あまりにも広範な禁止は無効とされます。

また、かかる競業禁止が就業規則に謳われていても従業員に周知されて
いるかどうかも問題になります。

競業禁止の特約に違反する違法行為かどうかの認定は、競業の態様、
退職の経緯や形態も左右してきます。
会社在職中にすでに新会社設立の準備をしていたということになれば、
在職中に既に職務に専念すベき義務に違反していたということができ、
退職後の競業行為の違法性を認定する要素と言えます。

また、多数の従業員が一斉に退職して競業行為に及ぶということも、
違法性認定に作用します。
本件では6名の営業マンが一斉退職したということですから、違法性認定
にかなり傾く要素と言えるでしょう。

営業マンの地位も関係します。幹部社員など重要ポストにいた従業員であ
れば、当然違法性の度合いも高くなります。

顧客リストの持ち出しなど、退職の際の行動も違法性に影響を与えます。
本件では顧客リストを持ち出しているとのことですので、かなり相談者に
有利です。
就業規則上の懲戒解雇事由としても「会社の文書・帳簿その他の書類を
部外者に閲覧させ、又はこれに類する行為のあったとき」や「会社の物品の
持ち出し」が規定されていれば、この行為の違法性の程度はかなり強まり
ます。

本件は、他にも色々な要素を考慮しなければならないのですが、相談者が
退職従業員の行動を黙認できないとする考えは十分に理解できます。

まず、退職の効力が生じる日までの無断欠勤と顧客リスト持ち出しなどを
理由に退職社員に対し懲戒解雇通知を発するべきでしょう。

そのうえで、新会社設立は競業禁止の特約に違反しているとして、内容
証明郵便で差止を請求し、更に裁判所に営業差止の仮処分を申請すると
同時に損害賠償請求の本訴を提起します。

いずれも、競業禁止特約と不正競争防止法を根拠としています。

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■編集後記

プロ野球が、いよいよ開幕。
贔屓のチームの勝敗にファンが一喜一憂する季節となりました。
私(比較的冷めた巨人ファン)も、巨人対中日の3連戦を、テレビで
さっそく観戦。
巨人は、松井がいなくなって寂しくなる、と思ったら、仁志、二岡、
元木が元気、若い選手もたくさん出てきて、大変楽しみです。
心配しなくても、スターは自然に育つものですね。
今週は、桜が満開で見頃になります。
私は、気分転換、気分一新、事務所を出て、花見で散策の時間を
作ります。皆様はいかがですか?

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「経営者の悩み・トラブル110番」
発行責任者:(有)エンジョイワーク
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